バチカン市国と天空の町

3,October,2009

  

9月22日 

 今日は、世界最小国家バチカン市国へ行ってきました。

  

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ローマにありますが、バチカンはイタリアではなく独立国です。

(※ちなみに、ローマパスはバチカンでは使えません。)

 

 

どうして、こんなに小さな国になったかというと・・・

 

 

世界中のカトリック教徒を率いるローマ法王(教皇)は中世、ヨーロッパでは

各国の国王をもしのぐ大きな権力を持っていました。

北イタリアにはローマを中心とした広大な領土も持っていました。

 

 

 

しかし、近代になるとその権力も衰え、1870年のイタリア統一のさい

イタリア王国によって、すべての法王領土は奪われてしまいます。

 

 

 

法王はバチカンの丘に立てこもってイタリア王国と対立。

 

 

そんな中、1922年イタリアの政権の座についたファシスト、ムッソリーニは

法王の権威をイタリア支配のために利用しようとします。

 

 

 

そこで1929年、イタリアと法王サイドの間で「ラテラノ条約」が終結され

ローマ法王の領土としてバチカン王国が誕生したのでした。

 

 

 

 

まずは、キリスト教最大宗派カトリックの総本山 サン・ピエトロ寺院へ。

ここでは日本語のオーディオ・ガイドを聞いて、しっかり見学してきました。

  

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中でも、ミケランジェロ作の「ピエタ像」は素晴らしかったです。

マリア様の慈愛に満ちた表情と、しなやかな線は、しばらくの間見入ってしまうほど。

  

 

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サン・ピエトロ広場を設計した、イタリアバロック美術の巨匠ベルニーニの作品も多くあり

ゆっくりと観賞することができました。

 

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その後、バチカン市国を出てサンタンジェロ城を通過し、「パンテオン」へ。

 

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パンテオンは、紀元前27年ごろに「全ての神々の神殿」として建てられたもので

現存しているのは、紀元80年の火災で消失したものをハドリアヌス帝が建て直したもの。

 

 

7世紀には教皇ボニファティウス4世が聖母マリアと殉教者たちに捧げる教会へと変えられました。

 

 

ミケランジェロが「天使の設計」と称賛した万神殿は

円形の天井にある天窓がとても印象的でした。

 

 

ナヴォーナ広場(Piazza Navona)の近くの電気屋さんでは、ついに念願のポット購入。

キッチンのない宿に泊まると、暖かいものが食べられないので、ずっと欲しかったんんです・・・

 

 

このポットで、私たちの「旅の食文化」に改革が起こるはず!(大げさ??)

 

 

 

パスタを茹でたり、ご飯を炊いたり、スープを作ったり、お肉を焼いたり・・・

このポットには「お湯を沸かす」だけではなく、多方面で活躍してもらう予定です。

 

 

 

今日の夕飯は、Hiroにポットでパスタを茹でてもらい、私がパスタソースを作りました。

「辛いアンチョビのソース」と「チキンのマヨネーズ&バジルソース」の2種。

 

 

 

無事、ポットでパスタを茹でることができて

初めてのポット料理は、なかなか上手にできました。

 

 

 

これから、新メニュー増やしていくので、乞うご期待です!!

 

 

 

 

 

 

 

9月23日 

 

 

今日は、「オルヴィエート&チヴィタ」までの日帰りの旅です。

 

ローマからオルヴィエートまでは電車で約1時間。(一人7.1ユーロ)

 

 

 

「世界一美しい岩上都市」と呼ばれる、オルヴィエートに到着です。

 

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この地域の大地は、火山噴火による凝灰岩でできていて

風や川の侵食などの影響を受けやすく、自然による変わった形状の土地がよくあるとのこと。

 

 

そのために、エトルリア時代から古代ローマ時代にかけて

敵から身を守るために自然の城壁を利用した丘の上に町がいくつも作られたそうです。

 

 

 

 

 

オルヴィエートの駅から丘の上にある町までは、ロープウェーで登っていきます。

 

 

 

遠くから見上げた、オルヴィエートの町並みは

「世界一美しい岩上都市」と呼ばれることにも納得の、素晴らしい眺めでした。

 

 

 

まずは、街のシンボルである ドゥオーモへ。

 

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ロマネスク・ゴシック建築の宝石と称されるドゥオーモは

華やかな色合いと、柱がめずらしく、とても印象的でした。

 

 

 

急な坂道を登っていくと、街から眺める景色は壮大なものでした。

流れる空気もゆっくりしていて、このような丘の上にある町は初めてです。

 

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その後、オルヴィエートはワインの生産が有名だということで、州立ワイナリーへ。

もともと修道院だった建物の中は、現在ワイナリーとテイスト館になっています。

 

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ワインの製造方法や、ワインに合う食事、ワイナリーについての説明を聞きながら

テイスティングは、白ワイン、赤ワインと2種類。

 

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白ワインは、とってもフルーティで飲みやすく、赤ワインは重いけど、飲み心地はまろやか。

グラスで2杯飲むと、昼間なのもあって、ほろ酔い気分に。

 

 

 

そのあとは、今日のメインでもある「チヴィタ・ディ・バニョレージョ」へ。

 

 

 

チヴィタまでは、オルヴィエートからバス(COTRAL社)に乗り、

まず、バニョレージョという町まで行きます。

 

 

 

バスで約40分ほどかかりますが、ここまでの景色が最高。

ほっとできるような大自然が広がっています。

 

 

 

バニョレージョに着いてからは、チヴィタ行きのバスも出ていますが

あまり本数が多くないので、私たちは歩いていきました。

 

 

 

20分くらい歩いて遠くから見えた、チヴィタの町は、まさに「天空の町」!!

 

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この町へ入るには300メートル以上の橋を延々と歩いて行かなければならず

不便さからも、今は町中には数家族しか住んでいないそうです。

 

 

 

別名「死に行く町」、「滅び行く町」と呼ばれるこの地。

雨や風による浸食が進んでいて、本当に死んでしまうのも時間の問題といわれています。

 

 

 

 

町には何件かのレストランとドゥオーモがあるくらい。

「滅び行く」なんて悲しいから、できるだけ長くこの町が続くことを祈ります。

 

 

「天空の島」から眺める景色も最高でした。

  

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ポストカードで見た、朝もやのかかったチヴィタの町の姿は、本当に幻想的!!

 

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私たちが訪れたのは午後ですが、今度は早朝に来てみたいなと思います。

 

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9月24日 

今日はローマで過ごす最後の日。

楽しみにしていた、バチカン美術館へ。

 

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9時過ぎには美術館に着いたのですが

予約なしで行ったので、長蛇の列が・・・

 

 

 

でも、1時間も待たずに意外とすんなりと入場できました。

入場料は14ユーロ。(カード使用×) 

日本語のオーディオガイドは、7ユーロです。

 

 

 

せっかくなので、日本語のガイドを聞きながら館内を見ることにしました。

一日では、見て周れないほど展示作品があると聞いていたので

いいものを厳選して見ていきたいなと思います。

  

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イタリアに来てから好きになった、彫刻は素晴らしい作品がたくさんありました。

八角形の庭園には、有名な作品が数多く展示されています。

 

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白い大理石の固さを失くし、リアルな肉体を表現する手法には

ただただ、見とれてしまいます。

 

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他にも有名な、ロダンの「考える人」

ゴッホの珍しい「ピエタ画」なども展示されていました。

 

 

 

ラファエロの「キリストの変容」、「アテネの学堂」の展示室には

たくさんの人で溢れていていました。

 

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さすがに名作!!

「本物」は、実際に観てみると大きな感動があります。

  

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システィーナ礼拝堂の壁の前面には、ミケランジェロの「最後の審判」が。

 

 

 

そして、壁の両側には、当時の有名なアーティスト達で創り上げたというフレスコ画、

見上げると、天井には見事なまでの、ミケランジェロの作品がここにもあります。

 

 

 

しばらく、システィーナ礼拝堂に立ち止まり、天井から、壁面までを

じっくりと鑑賞しましたが、素晴らしいとしか言いようがなく

このような作品を創り上げた、ラファエロやミケランジェロの天才ぶりに驚きました。

 

 

 

 

要点を絞って、急ぎ足で周ったつもりでしたが、

気がつけば、4時間が過ぎていました。

こんなに夢中で美術に没頭できたのは初めてです。

 

 

 

 

バチカン美術館は、展示作品も多く、質も最高級のものばかりなので

1日、時間をかけて、ゆっくり観て周るといいと思います。

 

 

 

私も今度は双眼鏡を持って、ミケランジェロの壮大な作品を鑑賞したいです。

絵画や彫刻はもっと勉強して、知識を深めていこうと思いました。

 

 

 

とても充実したバチカン美術館での一日。

ローマ、バチカンでは、豊かな気持ちで日々を過ごすことができました。

 

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1件のコメント »

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    ピンバック by Earth Tripper » Blog Archive » 天空の城 — 10/03/2009 @ 5:49 AM

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