「無知」という恐ろしいリスク

30,August,2009

 

8月29日  Saint-Ferreol(Marseille)

 19,Rue Pisancon 13001  tel 03 91 33 12 21 fax 04 91 54 29 97

reservation@hotel-stferreol.com  www.hotel-stferreol.com

 

 

 

信じられないような出来事から一夜明ける。

 

 

 

 

 

最近の連日の移動生活に加え、昨日のショックで疲れがたまっていたが

チェックアウトして、警察に盗難届けを出す為に用意を始める。

 

 

 

 

こんな時の為に、海外旅行用の保険に入っているので

ある程度はカバーできると思うので、

さほど心配はしていなかったんですが、

 

 

 

 

 

 

 

なんと命綱のCITIバンクのカードが無いのです…。

 

 

 

 

 

 

 

「マジで!!!!?」

 

 

 

 

 

 

我々の財源はKumiがJCBとVISA(これは盗難)

 

HiroがVISAとCITIバンクのキャッシュカードに分けて持っていて、

各国のATMからお金を引き出して使っているのです。

 

 

 

そういう超貴重品は肌身離さず、いつも持ち運び

一定の出し方で、一定の場所にしまう事を徹底してやっていました。

 

 

 

 

 

しかし、なぜか無い。

 

 

 

 

 

 

考えられるのは、ATMでキャッシュだけとってカードの取り忘れ。

それは絶対にありえないと思うのですが、それ位しか思い当たらない。

 

 

最後に使ったのはボルドーの駅。ハッキリと覚えている。

 

 

 

 

 

そうすると使えるのはJALのVISAカードただ一枚。

キャッシングとショッピングのやりくりで旅をしなければならない。

 

 

 

 

 

カードを持っている人なら分かると思いますが、

カードは磁気に弱く、使えなくなったらエンドです。

 

 

 

 

 

 

 

さすがにこれは大打撃です。

 

 

 

 

 

 

 

CITIバンクに電話するも、各国のCITバンクは独立組織らしく

あくまで日本で作った口座は、日本で再発行するしかないらしいのです。

 

そうするとまず書類を送ってもらい、やり取りをして

住所不定の我々に送ってもらわなければならないという事。

 

 

 

 

 

 

そんなやりとりは出来ないので、

とりあえず当面カード一枚で旅を続ける事にしてあきらめることにした。

 

 

 

 

 

 

 

目の前で荷物を盗まれたホテルにはこれ以上居たくないので

荷物を「警察に行くから」とホテルに置かせてもらい

盗難届けをもらいに行く事に。

 

 

 

警察に着いて盗難届けを作ってくれと言うと

 

 

 

 

 

 

 

「ファンソワ~ファンフォン○×жΩΨ(そういう風に聞こえる)

 

 

 

と軽そうな警察登場。

 

 

 

ちょっと待てというので待つが、

なんか怪しいので、「いつまで待つの?」と聞いてみると

「分かりませ」んとの返答。「今日は警察が一人しかいないから」と言うが

 

 

 

 

 

目の前にいるたくさんの人間はなんやねん!?

 

 

 

 

 

 

そんな疑問を抱いていると、そのやり取りを見ていた

しっかりとした警察官が、別室で取調べをしてくれた。

 

 

 

別室に向かう途中、私服になった軽い警官とすれ違った。

「大使館?すぐ近くだよ~」とか行ってたが調べるとかなり遠い。

 

どうやら仕事が終わりだったので適当に流したのか

もともと軽い人間なのか…。

 

 

 

 

 

 

片言の英語を話す警官と盗難品の確認。

 

 

 

「どんな犯人だった?」

「20~25位の男二人組み。金髪じゃなく、白人でも黒人でもない」

「アラビア人?」

「!!そうかも」

 

 

 

聞いてみるとこの手の犯罪は頻繁に起こっており

とくにアラビア人がやっているそうで、

「奴らは携帯で話してると、その手から電話奪って逃げたりするので気をつけて」

との事。相当荒んだ場所です。

 

 

 

 

取調べは1時間位かかったかな…。

 P8310002

 

図左から、目薬、扇子、プラチナゲルマローラー、ナンバー付き鍵  by Hiro画伯

 

 

 

 

大使館にも警察から電話すると

土日は休みでパリにある緊急センターに繋がった。

 

フランスにはパリ、リヨン、マルセイユにしか大使館はなく、

パスポートの再発行は通常一週間、早くて2~3日との事。

 

 

 

 

今日は土曜。あけて月曜から、

再発行までだとかなり滞在しなければなりません。

 

 

 

なので、リラックスできるようなホテルを

ツアーインフォに行って探すが、

安い地区は昨日いたエリアらしく治安も悪い。

 

 

 

少し休むのにネット環境が整っている事が条件だったが

中々見つからず、1時間程歩き回った。

 P8290030

 

 

 

 

 

 

マルセイユって言えばニースも近いし、

コートダジュール(フランス地中海沿いの沿岸。世界のセレブが集まる)だし

綺麗で超リゾートなのかと思えば、

 

 

歩いている人種もゴチャゴチャ。

物乞いも多く、街も汚く、空気も悪い。

 

 

 

 

 

 

「あれ?こんなところなの、ここ??」

 

 

 

 

 

って言いたくなる空気の悪さ。

 

 

 

 

 

 

とりあえずあきらめて

昨日の場所に土日は滞在する事にした。

 

 

 

 

体力も精神的にも限界の中、ヘロヘロでなんとかホテルに戻る。

同情して少し安くしてくれるかと思いきや一切ディスカウントなし。

 

 

 

 

パスポート再発行の為の費用、大使館までの交通費、ホテル代などは

領収書があると、保険対象になる為に、領収書を欲しいというが、

頭の固い婆さんでまったく話が伝わらない。

 

 

 

 

そもそもこのホテルに決めたのは、英語の話せる感じの良い娘がいて

それなら安心と決めたのです。

 

 

どうやら昨日はたまたまいただけで、通常はこの婆さんのみ。

お互いに通じないやりとりを2、3分していると

 

 

 

 

 

 

「金返すからどっかいきな!」

 

 

 

 

 

 

 

とお金を突っ返してくる始末。

 

 

 

 

 

 

この婆さんも目がよどんでる。

日中に見てもこのエリアはほんとに空気が悪い。

そんなところにいる人間も同人種。

 

 

 

 

その瞬間、いつも明るく強いKumiが悲痛な顔をした。

そうとう疲れていてようやく休めると思ったところにこの仕打ち。

 

 

 

 

 

 

 

これはまずい。

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんな気の悪い婆さんのところいたってしょうがないよ。出ようぜ!」

「今日の課題は結構ハードだね。さあ、盛り上がっていこうぜ!!」

 

 

 

 

ヘビーなバックパックを連日背負い連日の移動。

昨日のショックと、命綱のカードの紛失。

そして慣れない場所で、不安な中ホテル探し。

 

 

 

 

 

 

「よし!もう高くてもいいから居心地の良いところにいって心を休めよう」

 

 

 

 

 

 

とにかく早く休ませてあげたくて、

何とか励ましながら、再び荷物を背負いインフォに行き、

 

 

「どこでもいいから近くて、wifiあるところ紹介して」と言い、

歩いて5分位のところを紹介してもらう。

 

 

 

 

 

 

炎天下の中、少し迷い、フラフラになりながらホテル到着。

 

 

 

 

 

 

一泊80ユーロでとりあえず二泊分カードで支払。

ようやく辿り着いたホテルはテレビもネット環境もある

3スターホテル。ようやく一安心です。

 

 

 

 

 

Kumiを休ませて、食料や飲み物を買いがてら付近を散策してみた。

どうやらショッピングの中心街らしく、近くにはアラブ人マーケットがあり、

安く果物や飲み物を手に入れられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ホテルに帰るとKumiがネットで治安の事について色々教えてくれ

今までモヤモヤしていた事がハッキリする事に…。

 

 

 

 

 

 

ここマルセイユはフランスで一番治安が悪い。

 

 

 

 

 

 

地中海の玄関として古くから発展したここは

今やアメリカのマフィアの中継地点だそうで犯罪多発地区。

 

 

 

 

アラブ人や北アフリカ人を労働力として連れてきて

いらなくなったら切り捨てた為、食べれなくなった人間が犯罪を犯す。

 

 

 

フランスは子供一人につき10万円の助成金が貰えるらしく

生活の苦しい人々は、それを目当てにやってくる。

 

しかし、仮に大学まで卒業したとしても、

そういう人達の仕事は皆無に等しい。

 

 

 

 

「なんかインド人系多いな」

と思っていたのですがそれはアラブ人だったのです。

 

 

 

 

さらにフランス入りする時にあったストライキは

「たまたま」かと思いきや、しょっちゅうらしく、多い月は20回程あるそうです。

 

 

 

デモもよくあるらしく、デモ中は車燃やしたり、

強盗したりしても、捕まえられないいらしいのです

つまり犯罪なんでもあり状態。

 

 

 

 

さらに隣国イギリスでもたくさん安く使える移民を受け入れ、

そして不要になったたくさんの人間が切り捨てられている。

似たような状態だとか…。

 

 

 

 

 

 

 

 

よどんだ胸が苦しくなるような重い空気を両国で感じたのは

そんな背景があったからなんでしょう。

空気は人が作り出します。

 

 

 

 

 

 

我々がいた南アフリカもワールドカップで景気が上がると思いきや、

国内の人間は使わず、海外からの安い労働力を国が使っている為、

国内では不満の声があがり、命がけのワールドカップになるらしいです。

 

 

 

ヨハネスのタウンシップで訪れた、「唯一ここは大丈夫」って言う場所にも

ギャングなどが進出してきて治安が悪化しているらしのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世界的な金融不安がもたらした驚異的な不景気を

「どこかの国のどっかの事」ではなく

 

実際にいた場所や、今いる場所で、

世界の流れをリアルに感じられます。

 

 

 

結局、国の政策が目先の金の事しか考えず、

立場の弱い人をないがしろにした為、

犯罪や暴動が多発するのです。

 

 

 

 

 

 

 

世界の歴史はいつまで同じ事を繰り返すのでしょう…。

 

 

 

 

 

 

旅の最初は治安など調べて、

オドオドしながら旅していたり、TAXI使ったりしていたのですが

慣れてくるにつれそういう

 

 

 

「本当に大切な事」を調べ忘れていた事に気づきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「知らないって怖いよね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何事にもリスクはついてきます。

 

 

「マルセイユ 治安 」

 

 

と打ち込めば、いかに犯罪が多発しているか事前にわかり、

それならスルーしていたかも知れません。

 

 

 

たまたま、前日時間がなかった為、こういう結果になったのです。

そう、いつでも何か起こるときは「たまたま」なのです。

 

 

 

 

 

 

 

知っていればどんなリスクも管理できますが、

「知らない」という事自体が一番恐ろしいリスクなのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

ホテルや地図なんかインフォでどうにもなる。

経済状況や治安などをしっかりと調べて移ろうと心に刻み込みました。

 

 

そして、一ヵ国削ってでも体をケアして

いつでも頭をクリアに保てるように、無理しないようにしていこうと思います。

Merci .A demainLaughing



7 Comments »

  1. 命取られなかったんだから良しとしましょう

    お金は稼げても命は稼げませんので

    コメント by やぎっち — 08/30/2009 @ 11:17 PM
  2. やぎっち、ありがとう!!
    命は無事で、二人共元気です^^

    コメント by Hiro&Kumi — 08/31/2009 @ 6:01 AM
  3. […] その時の男目線ブログ≫ […]

  4. Hiro&Kumi さん、はじめまして。

    海外でカードを紛失すると、どうにもならないですよね。
    私も海外生活でCITI Bank のカードを使ってますけど、
    磁気が弱くなったらオシャカだし、外資系のわりに
    なんでもかんでも書類を提出しなくてはいけない CITI Bank には手を焼いています。
    日系銀行ならオンラインでほとんど事足りるのに。

    海外だとあまり警察は当てにできないですね。
    現地の日本大使館、領事館のほうが親身に対応してくれると思います。

    コメント by あすかC爺 — 09/01/2009 @ 1:05 PM
  5. あすかC爺さんはじめまして。
    コメントありがとうございます!

    CITIバンクって手数料分でレートが悪くなりませんか?
    なんかいい送金方法がないかと模索中でして…。

    結局、送金方法を大使館で聞いてみても、
    パスポートの再発行以外の事は専門外らしく、

    しょうがないので、旅で移動しながら、
    カード等再発行の手続きを進めていこうと思ってます。

    アドバイスありがとうございます。
    また、遊びに来てくださいね♪

    コメント by Hiro&Kumi — 09/02/2009 @ 3:25 AM
  6. 激熱な旅お疲れ。

    聞いた話で申し訳ないけど、visaのキャッシングがレートで一番安いかも。

    ガンバ!

    コメント by Atomy — 09/06/2009 @ 12:57 AM
  7. おおっアトミー。元気?

    コメントありがとう!
    Visaの即日発行のカード申し込んだよ。

    Djたるものイビザに行くべし!
    音好きの人たまらないと思うよ。

    Enjoy1975年

    コメント by Hiro&Kumi — 09/06/2009 @ 1:13 AM

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