10ルピーの使い方
1,November,2011
9月22日 Colombo
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「ワールドトレードセンターに行きたいんだけど、どのバスに乗ればいいですか?」
バス停で、隣に立っていた女性に尋ねた。
「このバスよ。私もそっちの方に行くから、付いてきて。」と、その女性。
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彼女の後に付いてバスに乗ると
その彼女は私のバス代まで払ってくれた。
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彼女の隣の席に座って、「サンキュー」と
私が何度も何度もお礼を言うと
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「only 10ルピー」
彼女は笑って、そう言った。
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その後に乗ったバスでは、10歳にも満たない女の子二人が
タンバリンを叩いて演奏しながら、車内を歩いて周っていた。
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私がそのバスに乗っていたのは午前中。
多分、この女の子達は学校にも行っていないんだろう。
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日本では見たことがないけど、海外では、バスや、地下鉄、電車の中などで
物を販売する人や、物乞いをする人、音楽を演奏する人などが、たくさんいる。
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その時の乗客は、多分20人位だったと思う。
その半数以上の人がすぐに財布を取り出し、その小さな女の子二人にお金をあげていた。
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「only 10ルピー」
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さっき出会った彼女の言葉が思い出された。
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惜しみなく、「与えること。」「助け合うこと。」
そのことは、この国では当たり前のことのように感じられた。
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何気ない日常の中に、感動ってあるものだね。
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