今ここにある幸せ

29,October,2011


913Arugumbay, Sri Lanka

無邪気な顔でかけ寄ってくる子供達の姿は、本当に愛くるしい。

キラキラと大きな瞳で、一生懸命話しかけてくれる、アルガンベイの子供達。

この子達と一緒にいると、なんだか優しい気持ちになれる。


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アルガンベイでは、カラー写真の現像がすごく高い。

カラー写真一枚150ルピー、地元の人が食べるカレーが80ルピーなので

一枚の写真が、約2回分の食事に相当する。

昨日、私が撮影したアルガンベイの人々の写真

その写真を彼らにプレゼントしようと思って、顔馴染みになったお店を一軒ずつ周った。

皆、すごく喜んでくれて、目の前で笑顔が見れて私もすごく嬉しかった。

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写真をプレゼントしたことをきっかけに、色々なところでお茶をご馳走になり

その時、今までは聞いたことがなかった、彼らの深い話を聞かせてもらった。

2004年に起きたスマトラ沖地震。

マグニチュード9.0、地震による巨大津波は約30万人の死者を出した。

ここ、アルガンベイも大きな被害を受け、

レストランを経営する男性の家も津波で流されしまったという。

家族は津波がくる一日前に逃げ、彼は家族を逃がした後、モーターバイクで逃げたとか。

地震の後、新たに家を建てて部屋を貸し、得たお金でレストランを作ったそう。

アルガンベイの町は、観光客も増えて、今は徐々に復興中とのこと。

お店の前を通るたびに、声をかけ手を振ってくれていた彼女の家。

両親、姉家族、弟、叔父と一緒に暮らす大家族。

津波で家を失い、弟はしばらく首都コロンボに行って働き、お金を貯めていたそう。

流された家のあとを見せてもらったら、外壁だけがわずかに残っていた。

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そして、津波で二人の息子を失ったというお姉さん。

言葉は通じなかったけど

20041226 8

紙にそう書いて、私に見せてくれたお姉さん。

2004年12月26日8時。

息子さんを失った日。

その辛い日のことは、その数字を書いてくれただけで伝わったよ。

夜は、サンダル屋のおじさんの家に招待されて夕食をご馳走になった。

おじさんと彼の奥さんからは、心を感じる温かいおもてなしを受けて、とても感激した。

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長い間旅をしているけど、こうして地元の人の家に行くのは初めて。

奥さんが作ってくれた、美味しい食事を頂きながら、色々な話を聞かせてもらった。

以前は海の前で暮らしていたという、ご夫婦。

津波で家が流され、暮らしていた地域は壊滅状態になり

おじさんは身体の半分が不自由になったそう。

今は海から少し離れ、鳥の鳴き声が聞こえる静かな地域で暮らしている。

「もう、海の前には暮らしたくないの。」

奥さんはそう話してくれた。

今でも時々、津波があった日のことを思い出して苦しくなるそうだ。

「でも、生きていられるだけで幸せよね。」

屈託のない笑顔と、その言葉が忘れられない。

今、目の前にあるものに感謝すること。

そして、今、自分がここにいられることに感謝すること。

日本に比べると、スリランカは物質的には豊かな国ではないかもしれない。

でも、お互いがお互いを思いやり、助け合いながら、幸せに暮らしているように思えた。

当たり前のことなんて、何もない。

全てのことに、もっともっと感謝して今を生きよう。そう思った。

・・



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