今ここにある幸せ
9月13日 Arugumbay, Sri Lanka
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無邪気な顔でかけ寄ってくる子供達の姿は、本当に愛くるしい。
キラキラと大きな瞳で、一生懸命話しかけてくれる、アルガンベイの子供達。
この子達と一緒にいると、なんだか優しい気持ちになれる。
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アルガンベイでは、カラー写真の現像がすごく高い。
カラー写真一枚150ルピー、地元の人が食べるカレーが80ルピーなので
一枚の写真が、約2回分の食事に相当する。
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昨日、私が撮影したアルガンベイの人々の写真
その写真を彼らにプレゼントしようと思って、顔馴染みになったお店を一軒ずつ周った。
皆、すごく喜んでくれて、目の前で笑顔が見れて私もすごく嬉しかった。
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写真をプレゼントしたことをきっかけに、色々なところでお茶をご馳走になり
その時、今までは聞いたことがなかった、彼らの深い話を聞かせてもらった。
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2004年に起きたスマトラ沖地震。
マグニチュード9.0、地震による巨大津波は約30万人の死者を出した。
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ここ、アルガンベイも大きな被害を受け、
レストランを経営する男性の家も津波で流されしまったという。
家族は津波がくる一日前に逃げ、彼は家族を逃がした後、モーターバイクで逃げたとか。
地震の後、新たに家を建てて部屋を貸し、得たお金でレストランを作ったそう。
アルガンベイの町は、観光客も増えて、今は徐々に復興中とのこと。
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お店の前を通るたびに、声をかけ手を振ってくれていた彼女の家。
両親、姉家族、弟、叔父と一緒に暮らす大家族。
津波で家を失い、弟はしばらく首都コロンボに行って働き、お金を貯めていたそう。
流された家のあとを見せてもらったら、外壁だけがわずかに残っていた。
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そして、津波で二人の息子を失ったというお姉さん。
言葉は通じなかったけど
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20041226 8
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紙にそう書いて、私に見せてくれたお姉さん。
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2004年12月26日8時。
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息子さんを失った日。
その辛い日のことは、その数字を書いてくれただけで伝わったよ。
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夜は、サンダル屋のおじさんの家に招待されて夕食をご馳走になった。
おじさんと彼の奥さんからは、心を感じる温かいおもてなしを受けて、とても感激した。
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長い間旅をしているけど、こうして地元の人の家に行くのは初めて。
奥さんが作ってくれた、美味しい食事を頂きながら、色々な話を聞かせてもらった。
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以前は海の前で暮らしていたという、ご夫婦。
津波で家が流され、暮らしていた地域は壊滅状態になり
おじさんは身体の半分が不自由になったそう。
今は海から少し離れ、鳥の鳴き声が聞こえる静かな地域で暮らしている。
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「もう、海の前には暮らしたくないの。」
奥さんはそう話してくれた。
今でも時々、津波があった日のことを思い出して苦しくなるそうだ。
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「でも、生きていられるだけで幸せよね。」
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屈託のない笑顔と、その言葉が忘れられない。
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今、目の前にあるものに感謝すること。
そして、今、自分がここにいられることに感謝すること。
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日本に比べると、スリランカは物質的には豊かな国ではないかもしれない。
でも、お互いがお互いを思いやり、助け合いながら、幸せに暮らしているように思えた。
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当たり前のことなんて、何もない。
全てのことに、もっともっと感謝して今を生きよう。そう思った。
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