世界で一番楽しい事 Day12
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7月26日世界で一番楽しい事 Day12
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長いようで短いボートトリップも丸一日できるのは今日で最後。
以前訪れた断崖絶壁のいい感じのレフトモンキーに到着。
波は1,2ftと小さくてみんなやる気にかけてたけど、俺はこの場所が好きなので
朝一でボードを抱えてポイントに向かう事にした。もう、カメラもなんも気にしない。
俺は俺のサーフィンをやる!自分らしく最後をたのしむんだ!!!
と、思ってるとジョシュもカメラを抱えてボートに乗り込んできた。
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花びらをプチプチちぎって「好き」「嫌い」風にいうとサ
「撮られたい…」「撮られたくない…」「撮られたい…」「撮られたくない…」
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やっぱ撮られたい!!!
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実質ラストチャンス。そして慣れたサイズ。得意のグーフィー。俺的に完璧なコンディション。
しかし、気付くとジョシュは撮影せずどこかへ行ってしまった。。。
まあ、いいやと思い手ごろなサイズのファンウェーブを一人で堪能してるとあきさんがきた。
「ひろくん今日調子よさそうだね」「ジョシュ?え、いるよ。彼陸で撮影してるよ」
慌てて振り返ってみるとバッチリカメラがこちらに向いて撮影していた。
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この日。この時。この瞬間。乗って、乗って、乗りまくった。来る波、来る波全部乗った。
まさにこの瞬間の為に今までやってきたように、色んな角度から写真を撮ってもらった。
ずいぶん長い間撮影してたんだろうな…。一、二枚はいい写真あるだろう。
よかった。やりきった。これで後悔はない。逆転サヨナラ満塁ホームラン。
楽しいセッションだった。
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船に戻るとジョシュがいつものように写真の編集をしていた。
当然、俺の写真ばかり。初めての体験。見てないフリをしながら、近くで覗き込んでると
「見ちゃダメ」ってパソコンを隠された。それでも気になるじゃん。一度離れて戻ってきて
こっそり遠くから見てると、一枚の俺の写真を見ながら、彼はうなずき、親指を立てていた。
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嬉しかった。
その一言に尽きる。最高の気分だよ。この思いは文字に出来ないよ。
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昼過ぎになると波は無くなった。停泊する場所の近くにいいビーチを発見したらしく
夜はそこでBBQ&キャンプファイヤーナイトになった。ボートから食べ物、飲み物を運び
泳いだり、スタンダップやったり、クリフジャンプやったり…。
みんな言葉にはださないけどこの旅の終わり感じてるんだろうね。
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あたりは真っ暗になり、足元すら見えなくなる頃、口にライトをくわえた船からの迎えが来た。
小型ボートにライトはない。無人島から救出されるように、みんなで船にのりこんだ。
そこで思ったんだけど、「ああ、いつ命なくなってもおかしくない遊びしてるんだな」って。
危険な波でのサーフィン。無人島遊び。頭の中ハッピーモードになってるから気付かないけど
見えないリスクが身の回りを囲んでるんだと思うとふと、怖くなった。
そういう意味で一見遊んでる風に見えるクルーだけど、俺たちの命ちをゃんと守ってくれてる。
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あきさんが言ってた「船はチームワーク。みんなファミリーやねん」
今回メインのガイドはオージーのデボ。あきさんは俺の為だけに来たようなもの。
なのでいつもだと一緒に乗ることはないらしく、若手の仕事振りを見るのも楽しみだったと言う。
「うん。ガイドのデボも、カメラのジョシュもみんないい仕事してる。よくやってる」
今は毎日のように海に出ているアキさんも、いつまでもこのペースでは続けられないと思ってる。
その時、信頼のおける次世代の仲間に、海の教えを継承していかなければならない。
それぞれが自分の好きな事を持ち場にして、楽しく、責任を持って働いている。
自分のチームを信じ、誇りに思い、それを称えている。俺、この船に乗れてよかったよ。
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明日は昼までサーフィンして16時間かけてパダンに戻る。そしてこの旅も終わり。
今夜のスライドショーでは初めて主役になれた。最後の最後に舞い降りたチャンスの神様。
嬉しかった事、悔しかった事、笑った事。いろんな思いが胸によみがえる。
月明かりの下、いつもの船長室の前で自分の気持ちをパソコンに綴った。
ゆったりと揺れる船の上で星を見上げるの至福のJazzitmeもこれで最後。
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スマトラの沖に浮かぶ、天然のプラネタリウムと島に見守られた聖なる空間。
魚が跳ねる水の音、優しい月明かり、時折流れる美しい星に、ミルキーウェイ。
その場所がいつの間にか俺だけの癒しの部屋になりました。
今度、遊びにおいで。いいものいっぱい見せてあげるよ。
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☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆To be continued