世界で一番楽しい事 Day9
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7月22日世界で一番楽しい事 Day9
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船長室の前のベンチに座りミルキーウェイに流れ星。そして360度見渡す限り海。
妖艶な月が黒い雲から時々顔を出すのを眺めては気持ちいい海風を浴びる。
癒しのリズムでメトロノームのように揺れる船。深夜の極上Jazztime。
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「寝れねぇ!」サーファーなのに夜を楽しんでしまってる俺。朝キツイよね。
さらに昨日さ「ところでLove&Peaceの記述は良かったんだろうか?」
「そもそもLove&Peaceってなんだ?」って俺がハマッちゃたったのね。
求めてる人に説明難しいじゃない?瞑想して答えを導き出す事にするよ。
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さて、今日のアスは予想通り波が上がってきて、昨日割れてなかったアウトで
轟音を立て白いしぶきを高々とあげていた。昼から移動すると聞いたので、
朝食後体を温めてから、この日の為に作った大波用の6:10の板をもって出陣!!
「もうちょっとでかい波がいい」とかいつも言ってるオーストラリア人も見学だけ。
みんなに「行かないの?」って聞くと「いや、やめとくわ」って返ってくる(←青健じゃないよ)
「板壊さないように」って祈ってボートからダイブして、ポイントまでパドルした。
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ブラジル人が数人入ってたんだけどちょうど海から上がってきて
ジョンっていうダンディーなおじさんと俺しかいなくなった。
「行く事しか考えない」それだけに一点集中。今日はサイズどれくらいあるんだろう?
セットで6ftくらい?俺の波のでかさの自己記録越えだよ。でも、怖さなんて考えない。
山脈みたいに海面がゆがみ津波のように襲い掛かってくる獰猛な波。
それだけじゃなくテイクオフからガバっと掘れ、落下するような滑り始めになる。
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一本目。慎重に波とポジションを選んでると、海面がゆがむセットが入ってきた。
ピークに向かって全力でパドル。ここでカールヒルの板が本領発揮した!
テイクオフ早いの!いつもよりも早く板が滑り出した。でもテイクオフした後、
板が細くてバランスを崩してフェイスを転がるようにワイプアウトした。
乗って滑って落ちただけだからダメージなし。「これなら行ける!」
勇気振り絞ってもう一回アウトにパドル。すると大き目のセットがやってきた。
テールが持ち上げられひっくり返される恐怖を打ち消しながら気合のテイクオフ。
これもテイクオフしてちょっと乗ったけど、バランス崩してフェイスで落ちた。
「やっぱ行ける!」気を抜くと色んな言い訳したくなる心に鞭打って再びアウトへ。
でっかいセットがジョンと俺の目の前に襲いかかろうとして大きな口を開け始めた。
「今度こそ!」って勇気を振り絞りピークのど真ん中向けて全力パドル。
「Hiro Go!」って聞こえた時には、もう左斜め下に板は高速に滑り出していた。
「ヒュー(やったぜひろ)」バランスを崩した体を立て直し、次から次へと出来上がる
大きな波の斜面をロケットのように飛んでいき、必死に自分なりのラインを描いた。
最後はプルアウトのタイミングを見失って岸まで乗ってその波を終えた。
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「ついにやったぜ!」その瞬間、無意識に拳握り締めて手を高く上げていた。
この波で船に戻ろうと思ったけど欲が出てもう一本乗りたくて再びパドルアウトした。
「やったじゃーん!」とジョンも拳上げて迎えてくれた。俺もそれにこたえて拳を上げた。
緊張と興奮。達成感。やったよ!やった!!ついに乗った!!!
波待ちしてるとき、夕方みんなの輪の中でビール飲みながらサンセット見てる時の
リラックスした自分を思い出してたんだ。どんな事を話しかけれれても、自然に応対し
自分も自然に話しかけ、その場に自然になじんでる自分。
そういうのをイメージするとさ、心が柔軟になれるっていうかリラックスできたのね。
力を抜いて「調和」する事の大切さと崇高さをあらためて学んだね。
「すごく怖い」「でもなぜかリラックスできる」そんな心構えがもてたのは発見だった。
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それでさ、もう一回テイクオフしたわけよ。でも、いい話はそれで終わり。そこからはひどかった。
6ftのピークからまっ逆さまに墜落。でもそんなに巻かれなかったんだよね。
大きい波は水の量が多いから、下に叩きつけられるリスクも減る。再びパドルアウト。
今度も吹っ飛ばされて頭から落下。3回目の回転の時にリーフに手のひらを引っ掛けた。
海面に顔を出すと、でっかい波がくずれたばかりのスープに再び海の中に引きずりこまれた。
これは苦しかった。海面の光に向かって必死に泳いでるのに、「まだか、まだか」
って思ううちに息が続かなくなった。もう限界ってところで顔が空気に触れた。
「苦しい」それでもパドルで逃げなきゃ。さすがにもう闘志も残ってなくて板を振って迎えを呼んだ。
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「板真っ二つだね」リーシュを外して板をボートにあげてもらった瞬間クルーに言われた。
見てみると真ん中から綺麗に線が入って板が割れていた。やりきった達成感。
板を壊した絶望の気持ち。でも、「板は消耗品」そう割り切って達成した気持ちをかみしめた。
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それから船移動で食料補充の為島に上陸。久々に陸にあがると体が揺れて変な感じだった。
ジョシュも上陸したのでカメラマンがどうゆう目線で写真を撮るのか後ろからついていって
じっくりと観察した。自分もその場所に立ってみて何を切り取るか考えてみる。
その後、波をかわしながら寝る場所へ移動。ステーキのディナーの後はスライドショー。
やっぱすごい波だった。俺が3本目に乗ったときカメラはなかったんけど、
みんな見てて「Hiro乗ったジャーン」「プルアウトしろ~って叫んでたんだぞ~」
って盛り上がったんだよね。まあ、その後板折ったこともしってるんだけどさ。
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「でも、みんなやらへんかったもな~。それをHiro君やったんやもん」と親指を立てるあきさん。
その辺まではいい話だったんだけど、アメリカ人からスペシャルなリキュールをもらい、
「滅多にこれへんところなんやからぶっとんだほうがええねん」とハイテンションに
「Fuck!Fuck」と連呼して!踊りながらローリングストーンズの歌やメンバーの
説明を語り始めたので、ついていく気力もなかったので話を聞き流して
静かに階段を下りて退散した。シャワー浴びて星空Jazzの癒しのひと時。
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ヨガマットの上に寝転がり星空鑑賞っていうテクニックを思いついた。
アフリカでのトラックツアー。ディナーの後、団体行動から抜けだして、
大自然の中で二人でシート広げて、寝転んで満天の星空見上げたよね。
あの夜の事を思い出したよ。
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☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆To be continued
あれ?
なんかからんでる?
6ftとはダブル?!
「やめとくわ~」
3ftで頭ちょいくらいかな?なのでダブルオーバーだよね。
一度巻かれてみると楽しいと思うよ^^