世界で一番楽しい事 Day7
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7月20日世界で一番楽しい事 Day7
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体の調子もバッチリ。サンライズも見て最高の一日の始まり。
気付くと次のポイントに到着していた。「さあ、最高の写真を撮ってもらうぞ!」
頭くらいのレギュラーで途中でチューブになる波。早速気合でテイクオフ。
慎重にレールを掴むようにボトムターンをして、そのままオフザリップ!
体をひねったと同時にスプレーが飛び散ったのがわかる。そのままスピードをあげて
もう一度ボトムターン。そして波の壁が右側にそそり立ってきたのがわかった。
「ついにチューブ!」頭を低くして、レールを掴み波の中へ飛び込んでいった。。。
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って前の日に書いたのね。その通りなるかと思ってさ。イメージ抱いて眠りにつき
夜中に目が覚めたときトリップで初めての土砂降りの雨だった。
ちょっとDVDのマチャドを真似て外を眺めてみたりした。
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朝起きると雨は降ってなかったのでロックスターというポイントに入った。
掘れた肩位の波。ここは波があがると観客が増えてくる事からこの名前になったらしい。
今日もジョシュのカメラを意識するも、乗れないまま彼は帰ってしまった。
その後掘れた波に乗るコツを掴み、いいバックサイドの波に乗った後土砂降りになった。
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ちなみに驚愕の事実が発覚したんだけど、俺メンタワイ旅してるんじゃなくて、
ノーススマトラらしい。メンタワイはスマトラの南の方で人がたくさんいるから、
人のいないノーススマトラ、二アスを周ってるんだって。
まっ、折角だから人がいないところのほうがいいよね。
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今日はここから5時間移動。次のポイントは「アス」インドネシア語で「犬」って意味らしい。
16時位にポイントに到着。誰よりも先に入水。ここは頭くらいのパンチあるホレたグーフィー。
「インサイド浅いから気をつけてね」とアドバイスもらったものの、どうしていいものやら。。
するとジョシュがやってきて撮影開始!俺とアキさんしかいない絶好のチャンス!
なかなか波がこないのと、きても逃してしまいうまくいかない。そのうちアキさん帰って
俺だけになるスーパーチャンスがやってきた。しかし乗れずに時間だけが過ぎていく。。
そして、波にレイルを入れてテイクオフ。ロケットのようなスピードで波のフェイスを
駆け抜けたとき、ジョシュはちょうど船に戻った頃だった。絶好のチャンスを逃しちゃった。
波を譲ってくれたり、カメラ待機してくれたのに乗れなかった。
申し訳ないのと悔しさで一杯だったよ。。。
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その後は掘れたパワーのある波に5回位巻かれ、顔にボードを強打し、
気をつけろと言われたリーフまで引きずられ溺れかけ、一瞬、流れ星位のスピードで
「サーフィンやめようかな」って思った。それでも気合でパドルすると今度は
ガツガツしたブラジル人に文句を言われ、負けずに言い返し再びアウトに出た。
最近「急がない」「怒らない」「考えない」っていうのを呪文のように唱えてるんだよね。
何度も出て、何度も巻かれた。もう気持ちがのってない。。。
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そして「プラスαの努力」か「すばやく引け」なのか考えたあげく、
サンセットが綺麗だったという理由で残る事にした。それでも乗れない。
そこに再びジョシュとボートから何名か板を抱えてやってきた。ラストチャンス!
夕日に照らされた鏡のような波。またとない絶好のシーン。でもダメ。どうしても乗れない。
カメラもいなくなり、日も落ちて暗くなり、ボートに拾われ船に戻ろうとすると、
「板2箇所壊れてるよ」とクルーに言われて、ボードを見てさらに落ち込んだ。。
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俺さ、上がり下がり激しかったじゃん?だからさ、とにかく
「全てはいい方向に向かってる。全てはそのステップなんだ」と考えるようにしてるんだ。
板壊れるのも怪我するのも滝に打たれて修行してるようなもんだと。。。。
にしてもさ、やっぱ落ち込むじゃん。夜メシ食ってる時に「Hiro今日どうだった?」
って聞かれて「昨日板壊して、今日も壊して、心も壊したよ」って自虐の笑いが
取れたくらいが唯一の救い?アキさんが気を使ってくれたのかビールをくれて、
サーフィンの話を色々聞いてもらったんだ。でもさ、俺もわかってるんだけど
アドバイスなんてないんだよね。ひたすら海入って乗って、壊して、
怪我して成長するしかないんだよね。でも参考になるアドバイスをもらったよ。
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うまくいくイメージで乗る。乗ってるイメージを先行すると体がそれについてくる。
逆に刺さると思えば、目線が刺さる方向に行くので体の動きもそうなる。
板は消耗品。怖いかもしれないけどピークが一番安全。巻かれると思えば巻かれる。
迷ったり、怖がったら必ずそういう結果になる。これからどんどん波は大きくなるよ。
ひどく巻かれる事もあるかもしれないけど入ったほうがいい。「できる」と信じていくしかない。
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「できると信じて」
この言葉人に何千回、何万回言っただろうね?言葉がブーメランのように返ってきたよ。
酔いが回ったのか、気持ちをあげてくれようとしてるのかわからない、
挙動不審な動きをするアキさんとテンションが合わず一人になりたくて、
船長室の前にあるベンチで寝転がり空を見上げてた。
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ゆらゆらと左右にゆっくりと揺れながら、吹き抜ける夜風が気持ちいい。
たまに流れる星をぼーっと見ながら今日一日を振り返った。
「できると信じてか。。」
その言葉を頭の中で反芻しながらキラキラ輝くサザンクロスに祈った。
「明日あの波を攻略できますように!」
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☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆To be continued