世界で一番楽しい事 Day3
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7月16日 世界で一番楽しい事 Day3
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拝啓 久美子様
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船の雰囲気を漢字で表すとこんな感じです
「男裸酒煙草胸毛裸髭欧米人」
マニアにはたまらない新手のゲイバーのようだけど楽しくやってるよ。
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朝起きるとポイントが二つあって、掘れた波とメローな波を好きに選ぶ。
するとボートでポイントまで送ってくれる。それぞれが自分のリズムで
朝飯前にいい波のったら、海の中で板を左右に振るとまた船から迎えに来てくれる。
パドルしないって楽でいいよ。そして戻るとみんな起きるのも、サーフィンするのも
食事もタイミング違うのに、ちゃんと「出来たて」の朝ごはんをひとりひとりに提供してくれる
決め細やかさ。さらにびっくりしたのがベッドメイクまで入るのよ。すごいよね。
そんな素晴らしいサービスの中でも感動した話するね。ちょっと文だと長くなるけど。
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夕方ボジョっていうポイントに入り、夕食をササッと食べて一人でベッドに戻ってた。
するとアキさんが来て「写真のスライドショーやるよ」って知らせに来てくれた。
実はこの船にはさ、オリンピックとかの映像の編集する一流のカメラマンがいるのよ。
でね、サーフィンしてるところに来て写真とって、船の中で即編集してるんだけど、
これがまた見事!!!びっくりする程素晴らしいセンスなんだよね。
でさ、俺一本いいの乗った時にカメラが向いててさ、「やった!」と思ってたんだけど
編集の時見たら全然ろくな写真ないし、すげ~残念だったわけよ。
みんなサーフィン雑誌みたいな構図で超カッコいいんだけど、俺の写真ぜんぜんないのね。
だから初日スライドショーするっていった時も、別に興味なかったんだ。
「俺打ち解けてないから写真ないのかな~」とかさ、考えちゃうじゃない?
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それでね、今日は一枚も俺の写真なさそうだったし、「めんどくせーからいいや」
って思ってたところにあきさんが来てくれたんだよね。それでも
「僕写ってないみたいだからいいです」「それってみんなで見る流れなんですか?」
とかマイペースな発言をしてたんだけど、みんなにもあまり馴染めてないし、
その場所に行く事自体軽く苦痛だったんだよね。みんないい人そうなんだけどさ。
でさ、その時ふと言葉が降りてきたのよ。「行きなさい」って。
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サーフィンを上手くなるためには、どんな波にも自分を合わせられるようになる事が
大切じゃない?それは人も一緒じゃん?そういうところを柔軟にしなきゃダメなんだって、
「ここで変わりなさい」って言葉が降ってきたんだ。そこで今までと違う選択をしようと
しぶしぶ重い腰をあげて、一番底の寝室からからリビングへ、そしてはしごを上って
みんながディナーしてた一番上のデッキにいったのね。
するとそこからが凄かったんだ…。
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突然電気が消えると、船から見える景色は月明かりに照らされた海だけになった。
大型のマックのPCのスクリーンからばっちりのBGMに合わせて、
「DAY3」と字幕流れた後、ひとりひとりの思い出のシーンが映し出された。
それはまるで全員がケリースレーター見えるほど超カッコよく編集されてるんだよね。
「あの波よかったな」「これあいつじゃん!」「この波ああだったよね」
真っ暗闇にモニターを囲み、裸の男がビール片手に一日を振り返る。
そしてこの日、夕焼けが超ピンクでさ映像の締めくくりはその夕日。
「DAY3」でした。みたいな感じ?幸福感に満ちた沈黙が流れる。。
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そしてそれだけじゃない。
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終わったあとに少しだけ真っ暗なままだったんだよね。これ意味わかる?
それぞれが暗闇の中、自分の映像を心の中で振り返る時間なのよ。そして電気がつく。
どう?どうなの??
このサービスハンパなくない?超超超感動したよ。俺にとってはこれが
地球上で一番最高のサービスだと思った。こんなの見た事なくない?
サーファーにとって必要なものが全てここにあるんだよね。
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で、その感動した話とかを「これってアキさん考えたんですが?」とか色々質問して
そこから飲みと語りが始まったわけよ。従業員の教育もすごくてさ
安全面とかサービス面とか超徹底してるのね。ここのスタッフ朝から晩まで働いてるよ。
「どうやって教育したんですか?」「なんでこの仕事始めたんですか?」
とかもう話尽きないじゃん。初めてのトリップは15年前位くらい。
誰もいなかったメンタワイで、その辺の漁師のおっさんのボートをチャーターして
仲間二人で海に出た。ネットもない。設備もない。船の上にテント張って、
カップラーメンとか持って、いろんな島周って波乗りしたんだって、それが原点。
完全にやってる事は冒険の域なんだけど、「それしか昔なくてね~」だって。
まあ、面白い話一杯なんだけどさ、書ききれないから帰ってから話すよ。
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俺ってさなんか気難しそうに見られるじゃん?
で、団体行動嫌いだし、いつも一人で船のどこかにいたのね。
そんな自分は楽でいいんだけど、協調性ないかな~と気にしてるとこもあったんだ。
その話しをしたら、アキさんがさこう言ってくれたんだ。
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A 「だいじょうぶだよ。みんなヒロ君の事わかってるよ」
H 「えっ何でですか?」
A 「だってさヒロ君イイ奴の顔してるじゃん。だから大丈夫だよ」
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あわよくば泣くところだったね。それくらいグッときたよ。
俺も器用なんだか、不器用なんだかわからないところあるじゃない?
その夜、それから他のメンバーとも少しずつ打ち解けて飲んで話して、
ようやく俺もこの船に乗ったんだな~って実感が沸いてきたんだ。
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最後はアキさんと二人になり周りは海と島に囲まれてさ、満月の白い光のラインが
真っ直ぐに海に映し出されてね、そして気持ちのいい風がデッキを吹き抜けてた。
そこにアキの好きな忌野清志郎が音質のいいスピーカーから爆音で流れてる。
「下の人達うるさくないですか?」と俺の心配をよそに「大丈夫♪×3」みたいな感じでサ
「金が欲しくて~♪働いて~♪眠る~だけぇ~♪」って彼の好きな歌が流れるわけよ。
一番遊んで、一番楽しんでるのはアキさんなんだなって思ったよ。
そんな満月の宴があった3日目でした。しゃべり過ぎたかな?
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☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆To be continued
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よう!
そろそろ写真をアップしてください。
他の人たちののレベルが高いってこと?
こないだこっちも台風良かったよ
他人にひゅ~って言われると気持ちいいよね。
KJ
よう!写真もうちょい待ってて~。
そ~いえば東京行った時、電話でよしと話したけど元気そうだったよ。
そっちは変わりあるかい?