魔法の言葉

22,January,2011

1月17日 Byron Bay

板をリペア屋へ

タロウズ→クローズ ブロークン→クローズ

初ワディゴースでサンセットサーフ

  

 

 

~魔法の言葉~

 

家で英語漬けの生活を送りながら、バルコニーで風を感じると

ここ数日の重い気持ちのサーフィンが頭に浮かんできた。

どしゃぶりの雨に始まり、強烈なカレントに流され、顔からエビ反りで海底の砂に叩きつけられる。

あげくの果てには板はクラッシュし文句は言われ、板も心もボロボロの日々。。

 

 

久々に金曜以外にビール買ってきて飲んだよ。

ここでサーフィンできなかったら、何の意味もない。

 

 

 

「つまんねぇ~な。。。」

そんな言葉が口をついてでた。

 

 

最近とあるバイロン在住の日本人女性と会った。

「最近波良いんでしょ?旦那言ってたよ」

俺にとってはいい波ではなかった。っていうか、

たしかに乗ってる人はガンガン乗れてる。

 

 

これは不景気だって嘆いてる人もいれば

景気良いって上機嫌の人もいるっていう図式に似ているよね。

波はただそこにあり、いつものように割れているのだ。

俺だけ景気悪いだけよ。

 

 

最近は、それでもあきらめず、海に入らなくても波観察したり

ビデオもって撮影に行ったりもしていた。

 

 

 

そんな事を思い出しながら、ふと時計をみると15時だった。

「後、数日したら波よくなる。。かな。」

重たい心が海から逃げる言い訳を考えた。。。

 

 

 

 

 

ふと、その時、頭に舞い降りた言葉があった。

 

 

「出来ないのはやらないからであり、努力と信念が足りないからである」

 

この言葉は小さい時から、

よく親父に聞かされていた言葉だった。。。

 

 

 

「そっか。。できないのはやってないからか。。」

「やってなかったもな俺。。よし。。行こう!!」

 

 

稲妻のように頭に直撃したこの言葉に突き動かされるように

ケイトの6.6の厚めの板を持ち、いつものパスをスルーして

割とメローな波が割れているワディゴースをチェックしに行った。

到着してみるとファンサーフが期待できそうな波が二つのセクションで割れていた。

 

何回か見に来た事はあったけど入るのは初めてで

少し観察してから海に入り、慎重にパドルを開始した。

強烈な東からのうねりは少しサイズがさがったものの

早いカレントで沖にでるのがかなり困難だった。

 

 

20分位パドルして、気付くと流されすぎて岩が目の前にあった。

気持ちが折れてとりあえず波に乗って岸に戻ろうとすると、

すぐにひっくり返り、岩にぶつかりそうになりながらも、

なんとか岸にあがる事ができた。

 

 

「ちっ!もう、サーフィンやめっかな」

そんなネガティブな気持ちになった。

過去最高嫌な気分の連続。

 

 

 

しかし、俺の人生の指針の一つに

 

「すごい嫌な事があった後には、必ずそれを超えるいい事がある」

っていう絶対のルールがある。100%そうなるのね。

まあ、そう思い込むようにしてたら、本当にそうなったんだよね。

 

 

 

心と体がもやもやとした重さに包まれる中、場所を変えて再びパドルを開始した。

 

 

今度はなんとか沖のラインナップまで出れた。ラインナップまでたどり着いたのは久しぶり。

パスだとゴチャゴチャしてて行けないからね。ここはそんなに人もいなく雰囲気も良い感じ。

やっぱ最前列のラインナップで待たなきゃ。期待感で気持ちが高まった。

 

 

 

しかし、波待ちしながら、波を観察したが中々波が掴めない。

焦るし、イラつく。気持ちが空回りし時間だけが過ぎていった。

 

 

 

「チクショーなんなんだよ!!!」

 

 

 

ふと、その時、言葉が舞い降りてきた。

 

「ああ、俺、最近感謝してなかったかも」

 

 

 

空を見上げると気持ちの良い青空が広がって

遠くには山々が連なって、海は透明で魚がたくさん泳いでた。

 

 

 

「ここに来てから景色楽しむゆとりもなかったな。。」

 

ガツガツの超アグレッシブなオージーサーファーに

人をクレイジーにする激しい波。いつも精一杯だった。

 

 

 

ニュージーランドで引き寄せられた一冊の本。

脇田選手から学んだ海に対する感謝の気持ち。

波に乗れなくたって、陸にいるよりは波待ちしてるほうがよっぽどいい。

天気も良く、波もあり、自然もある。そして俺は元気で幸せに旅してる。

 

 

 

「そうだ、今日ここにいれてよかった。ありがとう」

 

 

心に染み込ませるように、大きく息を吸い込み肩の力を抜いた。

 

 

 

 

 

それから間もなく起こったことを、はっきりと思い出せない。

 

 

 

 

 

一つだけ言える事は、俺は気付くと波の斜面を、

水しぶきをあげながら高速で滑り降りていた。

 

 

どこまでも乗れる波で、最後のセクションでは左側に波の壁がそそり立ち始め

姿勢をしっかりと低く保ち、初めてチューブに入る姿勢作りができた。

「行ったらどうなる?!」と思い頭から波に突っ込んだ。

 

 

次の瞬間の景色は水の中だったけど、

波質が掘れる波だったら、間違いなく決めてただろう。

 

 

「よっしゃぁああああああ!!!」

 

 

初めて感じたチューブに入る姿勢とタイミング。

確実に進歩した。一気に心の暗闇に光が差し込んだ。

 

 

 

その後、チューブに入る事はなかったけど

最近にはない程、何本も奥から乗りまくった。

数日感じていた心の重さを取り払うように、

何度も何度も波を求めてパドルして沖にでた。

 

 

 

 

「感謝の気持ち」

それを思い出した瞬間から、波は俺に向かってたくさんやってきた。

他の人に回しても余るほどまわってきた。不思議な話だよ。

感謝するとさ、ステージでスポットライトを浴びるように、

良い波が自分に向かってくるんだよ。これすごい体験じゃない?

 

 

 

地球はエゴな人やっぱ嫌いなんだね。

感謝の波長は地球の波長なんだよ。

自然に100%合わせる。それで自然と調和する。

それが最高に気持ちいいんだよ。

 

 

 

「うまくいかない時、イライラする時ほど感謝するべきだな」

 

直面してると忘れちゃうじゃない、そういう事ってさ。

でも、そういう時にこそ学びが多いんだよね。

 

 

久しぶりにサンセットになりかけた西日に照らされながら

波のように揺れ動いた自分の心を見つめなおした。

 

 

 

シャワーを浴びて、着替え終わり、帰る前に静かに海を眺めて

納得いくまで波乗りが出来た事に心から感謝した。

 

 

 

「うん。楽しかった」

 

 

明日は朝一で波乗りしよう。

 



4 Comments »

  1. お~~!

    いい波だね~!どこまでも乗れるんだな!

    ?でもゲットハードそうだね・・・

    インサイドちゅ~ぶに頭突っ込んだかんじ?

    コメント by ひげ — 01/22/2011 @ 6:28 PM
  2. この波は全然ダメよ。ここの地形決まったらこんなもんじゃないよ。これで60点位じゃない?
    ちなみにどこまでも乗れたのはここの波じゃないけどね。ワディゴースって隣のポイント。
    チューブね。。。「来たるべき時を待つ」って感じかな~?

    コメント by Hiro&Kumi — 01/23/2011 @ 7:39 PM
  3. 泣いた。
    ありがとう。

    コメント by 兄 — 01/31/2011 @ 1:53 AM
  4. Things can’t be as bad as they seem

    コメント by Hiro&Kumi — 01/31/2011 @ 9:06 AM

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