恐怖と快感

19,December,2010

12月14日 Byron Bay

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筋肉痛が続く中、朝一のサーフを狙う。

2度目のアラームがなった時に、海にいく決意をした。

と、次の瞬間、窓の外に激しい雨の音が聞こえ再び眠りについた。

 

 

一日一度はサーフィンしないと調子が悪いので

波はよくないだろうけど、夕方に近くのブロークンヘッドに行くことにした。

「小さな波に何本か乗れればいいや」と思って着いてみると

何人かサーファーが海に入っていた。

 

 

やっぱネットの予報じゃなくて

実際に行かないと分からないものだよね。

 

 

 

今日のテーマは明確

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ジャンクでもきっちりラインナップまで行く

でかいセットのみを狙う

ピークからテイクオフ

落ちるテイクオフをメイク

バックサイドをメイク

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

再び肩を痛めないようにケアしながら10分程パドル。

真っ白なスープの列を乗り越え続け

何とかラインナップまでたどり着いた。

少しずつコツが掴めてきた気がする。。。

 

 

 

 

岸から見てるとかなりジャンクな感じだったけど

よくよく見てみると以外に楽しめそうな波だった。

 

 

いつもだと数多く中サイズを集めて乗るんだけど

そうすると奥から来る、「本日一番」っていうのを乗り過ごす。

「本日一番」クラスはでかいし、掘れるから

いつもだと食らわないように乗り越えるのが精一杯。

 

 

 

しかし、今日は苦手なそれに焦点を絞って、

ケイトの6.6の板で静かに大物セットを待つ。。。

サーフィンも人生も最高の波に乗ったほうがいい。

最高の波なら最高にエネルギーがチャージされるはず。 

 

 

 

 

そして、沖からセットが入ってきた。

 

で、でかい!!!」

 

テイクオフしようって気持ちよりも、

無意識にその波をやり過ごす事を考えてた。。

 

 

 

 

こ、怖ぇええ!!」

 

マジで怖いのよ。

今日はセット頭半~ダブル位。

掘れた波だから、テイクオフは落ちるような感じになる。

 

 

 

 

「今の行ってたらグチャグチャに巻かれてな。。。」

 

うまい人ならいいんだろうけど、俺みたいなヘボだと

わずかなタイミング、わずかな場所の差が命運を分ける。

 

 

勇気を振り絞って、小さい波を無視して、ひたすら沖でセットを待つ。。。

何本かでかいセットが入ってくるも、タイミングが合わず右往左往。

 

「俺、ビビってるんだな。。」

 

と自分のしょぼさを嘆いていると、本日一番クラスの波がやってきた。

 

 

 

 

「山脈???」

 

って思えるような連なったでかい波。

 

 

 

「行くか?行かないか?」なんて考えてたら乗れない。

うだうだ考えてると恐怖のイメージが沸いてくる。。

「行くしかない!」と決めるしかない。中途半端が一番危険。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

波に押され板のテールが持ち上がる。

そして「シュワッッーーー」という音とともに板がほぼ直角に滑り出す。

一瞬体が無重力になり、このままじゃノーズから

刺さると思い体重を後ろにずらし、後ろに体重を倒して

レールを入れてバックサイドにボトムターン。

 

今までサーフィンして、体験した事のないフルスピードで

水しぶきをあげながら、ショルダーに向かい

このままじゃはみ出してしまうと思い、カットバックで戻る。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

そこで終了。

 

 

 

 

 

突然、頭が真っ白になった。

 

 

 

 

「あれ?ここからどうすればいいんだっけ??」

 

 

 

その瞬間波に飲み込まれた。

洗濯機を縦に回転させたように、波の中で3回転させられ

強力な波の力で、体ごと水底に押し付けられ続けた。

 

 

すごく深いところにいたはずなのに、気づくと足元に砂を感じた。

今まで体験した事がないほど、強く深く、水底に押し付けられ続けている。

リラックスしてやり過ごそうと思ったけど、あまりにも苦しい。。。

 

 

いつまで続くのかわからない。息も限界。

必死に砂を蹴り水面に浮かぼうとすると、

以外にも深く、水面まで息が続かず水を飲んだ。

 

 

「やっ、やべぇ!!!」

 

それでもなんとか水面に顔をあげると、

後ろから来てるセットに、再びもみくちゃにされ

インサイドでグチャグチャにまかれ続けた。。

 

 

 

しかし、とりあえずでかいのにピークから乗った。

気持ちよく、長く波に乗ったと時とは違う興奮と快感。

後ろにそびえ立つ波の壁の大きさが、今でも背中に残ってる。

 

 

 

体力と気力を削がれたのと、かなり流されたので

とりあえず一度海からあがる事にした。

 

頭が冷静になり、何故いい波だったのに

頭が真っ白になったのか考え始めた。。。

 

 

「そっか!イメージできてなかったんだ」

今日のサーフは一人度胸試しコンテストのような感じ。

でかい波を気持ちよく乗りこなすイメージができてなかった。

 

 

 

 

「もうやめるか?もう一度行くか?」

 

息を切らしながらグタグタになって海からあがると

岸ではカメラマンがモデルの撮影をしていた。

振り返って海の方を見ると、驚いたことに

大きな虹が完璧な半円になって地平線にかかっていた。

 

 

 

 

こんなに完璧な地平線にかかる虹は初めて見た。

 

 

 

 

この虹は「おめでとう!」って事なのか?

それとも「残念賞」ってことなのか??

 

 

 

 

そんな事を考えながら、美しい虹を眺めてると

気づいたら、自然と海に浸かっていた。。

再びパドル開始して、ラインナップに戻った。

 

 

 

 

ラインナップに戻り2,3度でかい波は来たけど取りこぼし

その後は波が割れなくなってしまった。

 

「チャンスの神様に後ろ髪はない」

怖かろうが何だろうが、折角のチャンスは行くしかない!!

波はいつまでもこちらの都合でやっては来ない。

「GO FOR IT」の意味が良くわかる。

 

 

 

 

波に乗った回数の何倍も海の中で

「怖ぇえええ」と一人で叫び続けた今日のサーフ。

「乗った」というより「乗せて頂いた」そんな感じかな?

 

 

 

 

そんな風に考えたら、ただ波待ちしてるだけで

感謝の気持ちで一杯になった。

 

 

「よかったな。今日ここにいれて」

 

  

 

 

 

恐怖と快感。

 

 

 

小さな小さな一歩だったかもしれないけど

確実に前進したという手ごたえはあった。

 

 

背中に迫る大きな波の壁の気配と恐怖。

目を閉じると緊張と興奮が蘇り、心臓の鼓動が早くなる。

 

 

 

 

ふと、口元が緩んでる自分に気が付いた。。。 

 

 

 

 

 

明日また行ってみよう。

 



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